モンテネグロ→セルビア バール鉄道

モンテネグロからセルビアへ

バール鉄道という、辺境の山を越えて行く景観豊かな鉄道があると聞いて、

それはぜひ、ということでバールに行くも宿がなく、

隣駅ストモレに泊まったわたしたち。



宿からの風景



宿のご主人。ありがとう〜。



ストモレ駅



8時に電車があると聞いて、(時刻表にもそう書いてあった)

朝ご飯も食べずにストモレ駅で待つ。



駅で待ってた女の子。同じ方向らしい。

指差し会話帖がないのが痛いなあー。



叔母さんと一緒に親戚のお家にいくよう。

一緒に待ったんだけど、1時間経っても2時間経っても電車はこない。

一度バールに戻って、始発電車で座って行こうと思ったのに、

下りの電車が一向にこない。

10時50分のセルビア行きの時間になってしまう〜、

と思っていたら10分くらい前に下り電車が。これが折り返すに違いない!と

女の子と別れてバールへ。しかしバールではその電車が折り返すのではなく

隣の電車が出発間際。やばい!

これに乗らないと、セルビアに着くのは夜中になってしまう!

やっとのことで飛び乗る。



車窓から。モンテネグロの首都ポドゴリツァまでぶどう畑と湿地帯が広がる。







乗っていると家族がやってきて、そこは私の席だという。

彼女のチケットをみると座席番号が記載。

えー。指定席があるなんて知らなかった。どうやって買うんだろう?

チケットカウンターのひとは英語通じなかったし、

指差し会話帖がなくなった私たちには手だてなし。

シパンのレストランに行って取り戻してきたい。。でも仕方ない。



追い出されてとなりのコンパートメント。怖そうなおにいさんが座ってる。

この人も英語通じないだろうなー、と思っていると、

しばらーく経ったころに英語で話しかけてきた。なんだ話せるんだ!

彼はギリシャに留学していて、夏休みで帰ってきたらしい。

見渡すかぎりのぶどう畑を指差して、

「ここはヨーロッパでも有数の上質なワインが採れるんだ。」という。


彼曰く、

最近のこの国はおかしい、と。

昔社会主義だったころは、貧乏人も金持ちもいなかった。

今、金持ち面をしている人をみると、ぼくらはなんだか変な気分になる。

この農場だって、昔は国のもので、みんなのものだった。でも今は誰か個人の金持ちのものだ。

キモチが悪い。

ぼくらが子供のころは、戦いなんかなく、

みんなのどかに暮らしていた。

と。


社会主義のころのほうが良かった?と聞くと


時代を戻すことはできない。

ぼくらは今の時代を生きなくちゃいけない。

始まってしまったものを、また社会主義に戻すのは無理だ。

でも、懐かしく思うよ。


といった感じのことを言っていた。


この辺の国の人たちは、昔の社会主義時代をあまり悪く言わない人が多いように思う。

キューバに行ったときも思ったけど、

もちろん問題は山積みで、ずっとそれで押し切れるものでもなかったんだと思うけど、

奇跡的になんとかなっている国のひとがとやかく言えるものでもないと思う。


彼は首都ポドゴリツァで降りた。

また別の家族がやってきて、そこは彼女の席だという。でも二席分空いてたのでそのまま

座らせてもらう。



しばらく行くと山の風景が変わった。

モンテネグロの近くはクロアチアと同様、岩だらけだったのに、

緑の森が増えてきた。

全然風景が違う。





同じコンパートメントの家族の女の子。14歳で音楽学校に行っているそう。

アコーディオンピアノ奏者なんだって。



結局他の家族も入ってきて、私たちは廊下のぼろ椅子にすわることに。

それにしてものんびり電車。時速50キロらしいが、そんなに出ているか微妙なところ。



渓谷を行きます。

よくこんな所に電車通したなー。

旧ユーゴスラヴィアが威信をかけて作っただけのことはあります。




いやー、しかし。

疲れました(笑)

えんえんガタゴト電車にゆられ席を追い出され追い出され何時間も。

もう4、5時間乗ったかしら。ふうーーー。

さて!

そんな時こそ行きましょう!

バール鉄道に乗る理由のひとつ。



わーい食堂車でーす!

まずは



BEER!

お疲れさま!ひゃー、疲れた!ビールだーい!

そして



バール鉄道名物、ザグレブカツレツ!(なんかもっと違う名前だったと思うけど、同じです)

これは、美味しい!久しぶりのまともな食事です。

ずっとどでかハンバーガーを二人で分けて食べてたんですもの。

飽き飽きです。ああ嬉しい。



陽気なおっちゃんが食堂車係。

警察官も休憩ですか。

どーもこの国では、警察官は乗り物なんでも乗り放題っぽいです。

バスでもなんでもてきとーに乗ってきててきとーな場所で何も払わず出て行くし、

割と強権。

こんなん見てたら、子供は警官になりたがるかも。



さてさて、待っている人も出てきたので、名残惜しいですが

食堂車ともお別れです。美味しかったよ〜



コンパートメントはびっしり。みなさんもぐったりですな。熱いし冷房もないしねー。

食堂車からの帰り道、なんと自由席を発見。もちろんいっぱいで座るとこなしですが、

なぁに〜!知らんかった。。。。。残念。知ってれば始発から余裕で座ってこれたのに。。

海外から日本に来た外国人も、特急「サンダーバード」、や特急「日本海」、とかで

こんな目に遭ってるのしら。。。

まあでも、間違って座ったおかげで、いろんな人たちと出会えたし、よしとしましょう。




車窓からは蜂の巣が。養蜂がさかんみたいで、あちこちにあります。








なんだか風景がのんびりしてきました。

セルビア人が割とおおらかだっていうのは、土地のせいもあるだろうなあ。




セルビア、ウジツェ駅に到着です!7時間半の長旅!!!!フィニッシュ!



おんなじコンパートメントだった、席をゆずってくれた家族のみなさん、

さようなら〜!


ウジツェの町なみ。



食堂車もさようなら〜。

食堂車でお話ししたドイツ人の旅行者のおじさんともさようなら。



そしてこんにちはウジツェ駅の駅員さん。




ウジツェの街並駅前編。

ここからモクラゴラには一時間半かけてバスで行くとのこと。

次のバスは最終バスで7時発。あぶない〜!!これを逃すとモクラゴラに行けません。

モクラゴラは冒頭で書いた、カンヌ二冠、ベネチア一冠の世界的映画監督

エミール・クストリッツァ監督が「ライフイズミラクル」という映画を撮ったロケ地。

そのロケ地にメチャヴニクという映画村のような施設があって

http://www.mecavnik.info/wsw/index.php?p=197

ここに泊まりに行くのです。

モクラゴラにつくと辺りは真っ暗。

しかもメチャヴニクまでは1キロ歩くとのこと!

まっくらななか、荷物をひきずり、疲れきったカラダをひきずって山を一キロ登ります。

コワイので歌います。懐かしアニメソングをえみちゃんに歌ってもらいながら、

やっと到着!

予約はしたはずなのにうまく取れていなかったみたいだったけど、

部屋は空いてるとのことで、まず部屋に荷物を置き、

さー、ゴハンだーっと施設内のレストランに向かったとき、奇跡はおきます。


みたことのある人影、、、あれってエミールクストリッツァじゃない?とえみちゃん。

まじで!?

話しかけてみると本物!!!!!エミールクストリッツァ監督!!!

日本から来た、今年6月TOKYOであったあなたのノースモーキングオーケストラのライブにも

行った!めちゃくちゃ良かった!!!

的なことを言うと、

「今はこれから打ち合わせがあって忙しいけど、明日朝一緒にコーヒーでもどうだ?」

と言われる。。。。

きゃあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!

わたし、世界で一番大好きな映画監督と、お茶を!????


アイドルに遭遇した女子高生のような声を出してしまいましたが

ぜひ!!!!!!(と言えたかどうか?とりあえず嬉しさを表現。笑)


とりあえず多忙な監督とその場は別れ、夜ごはんへ。

でもでももう夢見ごこちです。

とりあえずなんかセルビア料理を。





浮かれてて料理の名前は憶えてませんが、バーベキューみたいなものとツナのスープです。



レストラン。

うわー、うわー、でも奇跡!

嬉しいよー。













photo by tsukao - -
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バール鉄道の興味深いお話、ありがとうござます。いいなぁ、私も乗ってみたい!
この鉄道の建設は軍事的理由があるようですね。ユーゴスラビアの首都を海港と結ぶという。
この区間、道路だってまともに通ってないみたいですよ。

ところで座席の予約のことですが、ヨーロッパだと自由席と指定席って固定していないみたいです。場合によっては列車が発車してからでも、途中の駅で座席指定を受けて乗ってくる乗客もいます。その場合、車室に指定の表示は付けられないことも多いようです。ドイツでもそんなことがあり、私も予約して乗ったのに自分の席に別の人が座っていました。切符を見せて譲ってもらったのですが、その列車、技術的理由により座席指定の表示無しで走っています、と駅の出発掲示板に表示されていました(ドイツは予約席の表示が電光掲示になっているのですがそれが故障していたらしい)。

| Berliner | 2012/12/13 7:31 AM |










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